登録販売者とは、いわゆる薬局、ドラッグストアなどで勤める際にとても有意義な公的資格です。
しかし、この資格についてしっかりと理解されている方は少ないのでは?
どのような背景でつくられた資格なのでしょう。
登録販売者とは?
薬局、ドラッグストア等で市販されている医薬品を販売する
登録販売者と薬剤師の違いは、一般用医薬品の中でも副作用や薬の飲み合わせについて特に注意を要する一部の医薬品(第1類医薬品)は薬剤師しか販売できず、登録販売者はそれ以外の医薬品(第2類医薬品、第3類医薬品)の販売のみを行うことである。いずれの医薬品も販売時の情報提供のルール等が決められており、販売時には、顧客の質問、要望に親切・丁寧にわかりやすく対応し、親身なアドバイスも行う。
厚生労働省HPより抜粋
2009年6月の薬事法改正にともない誕生した医薬品販売専門家である、登録販売者。
文部科学省や厚生労働省の国家資格一覧には記載がないのに、総務省の一覧には記載があるという謎の資格です。
現状は「都道府県知事から認定された公的資格」というところでしょうか…。
一般用医薬品には第1〜3類という分類があり、第1類は薬剤師のみが扱うことができます。しかし、登録販売者が扱うことのできる2、3類は一般用医薬品の実に95%。多くの場合、登録販売者で事足りるということです。
ドラッグストアやコンビニなど薬を扱う店舗はどんどん増えており、多くの登録販売者が活躍しています。
試験概要
試験についての情報
種 別 | 公的資格 (都道府県知事認定資格、実質国家資格) |
主催団体 | 公益社団法人 全日本医薬品登録販売者協会 |
履歴書への記載 | 医薬品登録販売者試験 合格 |
団体ホームページ | https://zenyaku.or.jp/ |
試験合格後、都道府県に販売従事登録をする必要があります。
さらに直近5年のうち2年以上の実務経験を経て正規の登録販売者となります。
受験資格
平成26年より、これまであった一定の受験資格がなくなり、誰でも受験できるようになりました。
取得後にできること
- 第2、3類医薬品の取り扱い・販売ができる
- 一定の条件がそろえば、店舗管理者になれる
ちなみに、一度どこかしらの都道府県で登録をすれば、その後は全国どこでも資格は有効です。
受験要項
試験方式 | 申込先 | 合格率 | 検定料 |
マークシート | 都道府県 | 35〜55% | 12,800〜18,200円 |
実施時期は年1回、8月〜12月実施です。実施日は都道府県によってまちまちなので、受験申し込みが開始される6月ごろには確認が必要です。
試験内容についても、都道府県ごとに異なります。
といっても、出題範囲や出題数は同じです。難易度に関してもばらつきがないようにされているとのことですが、やはり若干の違いはあるようです。
さらに、難易度は年々上昇傾向のようなので、受験をお考えの方は早めの受験が吉かもしれません。
そして一番驚くのですが、受験料も都道府県によって違います。
支払い方法は収入印紙を申請書に貼り付けるタイプ。昨今コンビニで払えることが多いので、慣れない方も多いのではないかと思います。注意が必要です。
どうして「なくなる」「不要」といわれるの?
不要論の発端となった法改正
医薬品の遠隔、デリバリー販売
店舗に行かなくても薬を購入する手段が増えてきています。
各店舗に有資格者を配置して、薬の受け渡しをする必要がなくなったため登録販売者の必要性が低くなるのではないかというこちです。
受け渡しを直接する必要は少なくなりますが、相対的にコールセンターなどで薬に関して指導したり、相談したりする有資格者が必要となります。需要は決してなくならないでしょう。
「2分の1ルール」の撤廃
2021年に撤廃された「2分の1ルール」とは、「店舗の営業時間のうち、半分以上は医薬品の販売を行える有資格者が常駐しなければならない」というものです。
このルールがあるので、24時間店舗(コンビニを含む)で医薬品を扱うことが難しかったのです。
撤廃されるから有資格者を常駐させる必要がなくなるから、登録販売者の必要はなくなる、というのは間違いです。
撤廃されることによって、これまで医薬品を扱えなかった業態が参入してくるため、登録販売者の需要は増えると考えられるからです。
個人的な評価
セルフメディケーション税制(医療費控除の対象にするから、ちょっとしたことなら病院ではなく薬局つかってね)も導入され、一般医薬品は様々な場所、場合で利用されることが増えます。
薬剤師の絶対数は大きく増えることはありません。登録販売者の需要はますます増えると思います。
まとめ
「手に職をつける」という言葉がありますが、資格ひとつでいつでも、どこでも職に困らないということはありません。需要の高い保育士や看護師は、資格取得のハードルがかなり高い資格です。
登録販売者は、全国どこでもいつでも需要があり、資格取得までのハードルも比較的低いと考えます。
就職する手段を増やしておく、という考え方もありだと思います。
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